私だけが全裸にならなければならないのです

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けれども私は、お腹の前でブラウスの裾を握ったまま動くことが出来ませんでした。
膝がぶるぶる震えていました。スーツに身を包んだ二人の男性の前で、私だけが全裸にならなければならないのです。
どれ程の時間が経ったでしょうか、ほんの短い時間だったのか、或いは10分、15分という時間だったのか、
私には分かりません。
やがて、杉山さんが静かに口を開きました。
『菜緒子さん、じゃあまず、今日はどんなブラジャーを着けて来たのか、ブラウスを捲って見せてくれませんか?』と。
返事をしない私に杉山さんが、追い討ちを掛けます。
『どんなことでも、受け入れるのでしょう?』
私は眼を閉じ、闇の中で必死に自分に言い聞かせました。
ここには自分の他には誰も居ない、自分は家の寝室に居る、そして、いつもの様に一人で着替えているだけなんだと。
普段の様に何も考えずにブラウスを脱げば良いのだと。

息が詰まるような沈黙が圧し掛かった来ました。
そしてやがて私はその重さに耐え切れずに、ブラウスの裾を震る指先で捲り上げました。
少しずつ・・・少しずつ、もう1センチ・・・もう1センチ・・・
もう1センチだけ、と自分に言い聞かせながら。
『もっと、もっと上まで・・・』杉山さんが言いました。
それは、さっきと打って変わって、威圧的な低い声でした。
私は、杉山さんの声に打たれる様に上へ上へとブラウスの裾を捲り上げました。
そして『そのままこっちを向いて』という杉山さんの声に従い、杉山さんの方へ体を向けました。
まるで、医師に診察を受けるような恥ずかしい姿で。

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