何度も腰を震わせながら逝きました(42)

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気が付くと、私はすっかり汗ばんだ手で杉山さんの腕を握り締めていました。
その手が大きく動きました。
私はもう片方の手でシートを掻き毟りました。
その時、杉山さんの反対の手が私の前へ伸びて来ました。
瞼の隙間から微かに見えた杉山さんの手には、携帯が握られていました。
気が付くとほぼ同時に、写メを連写する音が聞こえました。それでも私は、もう自分の体の興奮を止めることは
出来ませんでした。
シャッターを浴びせられながらも、私は力一杯両腿を締め付け、肩をつぼめ前屈みに上体を小さく折る惨めな格好で、
お尻を突き出すようにして何度も腰を震わせながら、逝きました。

幾多の波が引いた後に、もう一度大きなうねりが訪れて、私はがっくりと腰を折って杉山さんの膝の上に顔をうずめていました。
杉山さんが優しく私の頭を撫でながら、耳元に唇を近づけました。
『・・・菜緒子さん、素敵でしたよ・・・』
私は杉山さんの膝の上で、首を振りました。恥ずかしくて、惨めで、情け無くて、それでいながら体は激しい悦びのなごりに
まだ燃えていました。
私は、未だ熱の冷めない花弁を両腿で締め付けながら、悦びの余韻に溺れました。

しばらくすると『奥田さん、これ』と、杉山さんが助手席の夫に声を掛けました。
振り向いた夫に杉山さんが手渡した物、それは携帯でした。
そこには、数分前の私の姿が写っている筈です。
夫は、公の場所で自分と一緒に居ながら、知らない男性の手で逝かされる妻の姿を、どんな眼で見たのでしょうか。
私は、夫の顔を見ることは出来ませんでした。

菜緒子

1 Comments

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T

ぞくぞくしますね

読んでいるだけで鳥肌が立つくらい興奮します。
ここ数日間の展開で、何度かおかずにさせて頂きました(笑)
羨ましい限りです。