甘く切ない被虐の悦びに胸を高鳴らせていたのです(37)

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杉山さんは、私に色々言葉を掛けて下さいました。
この近くにピザの美味しい店があるとか、休日の過ごし方とか、学生時代にした悪戯の話とか・・・・
けれども、私にとっては辛く長い昼食でした。
杉山さんと夫は、共通の友人のお話ですっかり打ち解け、趣味のカメラの話や、仕事関係の話でワインも進み、
盛り上がっていました。
杉山さんは終始笑顔で優しく静かなお話振りで、私を睨む様な厳しい眼で問い詰めた時の表情が、まるで嘘の様でした。

やがて昼食が済み、いよいよタクシーでホテルへ向かうことになりました。
勿論、私は花弁の奥に抱いたものをそのままに歩かなければなりません。
花弁の奥は熱く火照っていました。時折、スカートの中に忍び込んで来る風に晒される濡れたショーツが肌に冷たくて、
私は早く下着を取り替えたいとそればかり考えていました。

妻でありながら、夫と一緒にこれから抱かれなければならない男性の後を付いて歩かなければならないなんて・・・・
歩きながら、私は自分が見えない鎖で繋がれ、ホテルへ引かれて行く様な気持ちでした。
けれども、私は心のどこかで、そんな自分に自分自身で酔っていたのかもしれません。
杉山さんの背中を見ながら、自分はこの人にいったいどんな恥ずかしいセックスを求められるのかしら・・・と、不安に涙を
浮かべながらも、体の底から湧き上がる甘く切ない被虐の悦びに、胸を高鳴らせていたのです。

菜緒子

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