巻き髪

►2017/05/02 00:05 

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それから、数日経ってのことです。稲垣君に会う日は、後、数日後に迫って
いました。私は、髪を整える為にヘアサロンへ行きました。今まで伸ばして
来た髪に、夫に言われた通り、ゆるめのカールを掛ける為です。たっぷりと
した巻き髪を揺らしながら、稲垣君の上で体を弾ませる姿を見たいと夫に言
われたのです。切らずにカールするのは珍しいですね、と美容師さんに言わ
れ、私は、ちょっと気分を変えてみたいの、と笑顔で答えました。鏡の中に
は、いつもと違う髪型をした別の自分が居ました。夫の眼の前で、年下の
男性の上に体を重ね、髪を揺らしながら腰を振って喘ぐ姿を見せる為、髪型
を変えた恥ずかしい女が居ました。打ち寄せる大きな悦びに弄ばれるかの
ように、くねらせた肩の上で、反り返した背で大きく広がり、縦に横にと甘
い香りを振り撒きながら乱れる自分の巻き髪・・・恥ずかしいのですが、私
は稲垣君の上で体を弾ませる自分を思い描きました。そして、自分が動く度
に、花園の中で、びくん、びくんと反り返り、私の体を突き抜かんばかりに
硬たさを増す稲垣君のものを想像して、自分の花弁が、しっとりと潤んで来
るのを感じていました。


数日後に、自分は夫以外の男性に抱かれる、その思いが頭から離れなくて、
真っすぐ家に帰る気がしなくて、私は、ヘアサロンを出てから、宛も無く何
となくウインドゥを覗き込みながら、街をぶらつきました。私の胸は、後数
日に迫った日のことで、ずっと高鳴っていました。切なくて、哀しくて、そ
れでいて、どこか高揚した気持ちでした。街を歩きながら、ふと横に居る女
性を盗み見ては、私は思っていました。この女性も、愛する人に求められれ
ば、愛する人の眼の前で、見ず知らずの男性のものを口に含み、口に溢れる
ほど注ぎ込まれた精液を、飲み込むのかしら・・・と。

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